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時空間における世界の構成原理と時空間移動の可能性

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 一方、変わらない世界をモデルとする考えでは、先のような矛盾は起こらない。いや、起きないものと定義されている、と言うべきか。と言うのも、変えられる世界が矛盾を補正するように作られているのに対し、変わらない世界は矛盾が最初から起きないように作られているのである。
 これを「親殺しの矛盾」に当てはめると、過去において親は私に殺されることはない、ということになる。例え私がいかなる手段を用いたとしても、何かに阻まれて絶対に親を殺すことはできない。したがって、矛盾は起こり得ないのである。
 この考えにおいては、世界は不変であり、未来でさえも世界の誕生と共に生まれたことになる。世界は、夢のある言い方をすれば「運命で決まっている」のであり、夢のない言い方をすれば、ただ「台本通りに動かされている」だけなのである。

 これらの仮説に対し、私はどちらも強引である様な気がしてならない。もちろん、あくまでこれは私の個人的な見解であり、これから私が述べる考えも一つの仮説でしかない。そもそも、この様に世界を対象とする場合では、我々も定義する対象そのものに含まれているため、どの仮説が正しいのかを判断する事は出来ない。よって、その正否を議論することは全く無意味であると言える。そのことを踏まえた上で、多々ある仮説のひとつ、あるいは一個人の戯言として、私の考える世界の在り方を読んで欲しいと思う。



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